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福祉の認可保育と民間保育の領域の違い

2008.05.28

『児童福祉法』が施行されたのは1947年、戦後の復興期です。経済復興には労働力が必要でしたが、男性労働者が不足していたことで女性労働者が必要となり、就労者支援を目的として保育園の制度が確立しました。

時代が変わり、現代では働く母親のための就労者支援施設としての役割が疎かになってきました。現場重視で進めた挙句、子どもたちの視点偏重主義になり過ぎて、現場ではまるで全ての免罪符のように、「子どものためにこうすべきだ」というような理屈や言い訳で保育園の仕組み作りが行われました。
例えば保育業界では無神論的に、保育時間は8時間までが基本とされ、8時間以上保育する事は、健全育成上よくないと言われます。なぜ8時間なのか、実は何の根拠もありません。女性の働き方も変わり、労働時間は8時間より長くなり、働く時間帯も変わってきました。実情に合った仕組みを考えなければならないのにもかかわらず、単純に「8時間以上保育するのは子どもによくない」という考えで、保育時間を延長することや、保育の時間帯などは従来のままなのです。

この結果、民間の保育事業者が参入してきた訳です。しかし、児童福祉法には保育園設置基準があり、一方で認可保育園のみの補助金制度の中では、民間の保育園経営は簡単には成り立ちません。

では、今日、児童福祉施設として求められている保育園の役割とはどの様なものなのでしょうか。それは生活、経済的に困っている家庭・子ども・就労者のための保育施設であり、「長時間保育」「夜間保育」「深夜保育」「病時・病後時保育」「緊急的一時保育」「非就労者のための保育」「へき地保育」の「7つの保育」を受け入れることのできる施設です。
本来これらの保育に対しては国が税金で行わなければならない児童福祉政策だと思います。しかし現実には年間2兆円以上という莫大な福祉予算を投じ、190万人余りの児童を保育していますがこの「7つの保育」以外の定型的な保育しか実施していないのが現状です。昼間に働いている人たちのためのこれらの保育園は当然必要ですが弱者のために税金を使わなければならないという考えからすると現在の定型的保育提供型保育園への児童福祉予算を削ってでも本当に必要な保育「7つの保育」に充てるべきだと考えます。

では限られた国の予算でどうすればこの現状に見合った児童福祉政策が行えるのかそれは民間企業の力—アイディア—ノウハウを活用することによって可能だと考えます。このような昼間の「定型的な保育園運営」を自由化し民間に解放することによって本来求められている保育ができるのです。民間企業がお客様の満足を得て生き残りをかけ努力していくことで自然淘汰的にいいものができるそれ以外には考えられません。
民間企業が保育園を運営すると質が悪くなる金儲け主義で保育の質が劣化すると批判を浴びますが本当にそうでしょうか。事故や事件不正は公立や社会福祉施設でも起きているのですが単にマスコミに派手に露出しないだけです。
「民間企業は利益追求団体だ」という先入観から福祉に合わないという見方を助長している部分もあります。

認可保育園が民間委託され保育の質が変わったと利用者からクレームや裁判になっているケースもあります。残念ながら制度の転換期には必ず何らかの問題が生じます。全ての産業の草創期には悪しき要因が存在しそれが露出する部分もありますがそれは必ず淘汰されていき経済活動の必然的結果としてあるべき仕組みが作りあげられるのではないでしょうか?

本当に児童福祉と育児支援を両立させるには民間企業が保育の中心となる定型的な施設型保育を担い先に挙げた「7つの保育」を福祉予算によって行政が担うという役割の分担が必要だと考えます。児童福祉予算に頼ることなく運営する方法や仕組み作りが本当は成立するはずなのですが現在の制度では民間の経営努力で善良な保育サービスをお客様に提供することができない制度になっているのです。

少子高齢化が進むにつれ福祉に配分できる予算も減っていく中、国全体で子育て支援をどう進めていくかを考えるとあくまでも定型的な保育は民間企業に開放し自由競争にゆだね品質を強化する。一方で本来の福祉として行うべき保育−「長時間保育」「夜間保育」「夜間深夜保育」「病時病後保育」「緊急的一時保育」「非就労者のための保育」「へき地保育」−こういった民間企業では成立しないつまり本来的に行政が行うべき保育に税金を使うべきなのです。

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