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日本の保育市場におけるベビーシッターの役割

2009.03.07

皆さんは、ベビーシッター(以下、「BS」と表現します)とは、どんなことをしてくれる人だと思われていますか?今現在、BSを利用している人も、実は現実にはどんな分野で仕事をしているのか、正確には知らないと思いますので、ちょっとご紹介しましょう。

まず、海外のBSと日本のBSには結構違いがあるのです。アメリカなどのBSは、中には当社のようなBS会社がサービスを行っている場合もありますが、学生のアルバイトが主流で、ほとんどの海外のBSは個人的に依頼する直接契約です。日本のBSは、当社のようなBS会社から派遣されている場合がほとんどです。そこではどういう違いが生じるか、と言いますと、以前よくテレビでBSが虐待をしているシーンが放送されていましたが、日本ではそのような事が起こりにくいのです。何故かと言うと、日本はBS会社が仲介し派遣しているので、利用者が気に入らない場合は、シッターを変更するなどの手段が取れます。これが、海外のように直接契約となると、気に入らない場合でも、すぐに解雇すると会社勤めに支障が出て、なかなか不満があっても我慢せざるを得ません。又、シッターからしても、「自分がいなければこの家庭はまわらない」という変な自負が出てきて、どんどん横柄になってくる、などの現象が生まれやすくなります。BS会社だと、何人かのシッターが複数で担当させていただく事になり、シッター同士に競争意識が生まれ、お客様に気に入られるシッティングを心がけるようになります。複数人でお客様を担当する事になり、一見お客様には不満を抱られそうですが、結果的には、良いシッターが集まり、競争により良いサービスが受けられるようになるという現象が生じる場合が多々あります。
日本と海外でのBS事業の違いでこのような影響が存在しますが、基本的には、このような個人宅でのBSがBSサービスの基本となっています。

更に、日本では、このような個人宅以外の場面でたくさんのBSが活躍しています。ご存知のように、日本では行政がサービスを行う「認可保育園」が保育事業の基本となっています。この保育園という施設型の行政サービスは日本独特のものですが、皆さんが直面しているように、なかなか入所できない、選べない、遠い、あるいは、開所時間が短い、乳児・新生児が預かってもらえない、病気のときは預かってもらえない、日曜や一時的には預かっていない・・・など、さまざまな不便が生じているのが現状です。このような、場面でBSが活躍しているのです。つまり、新生児でも、乳児でも、保育園に入れない場合も、緊急時も、日曜日も、夕方以降も、夜も・・・全て対応しているのが日本のBSです。それ以外にも、幼稚園や保育園の送迎などもBSなら対応してくれます。

このように、個人宅の場面でも、様々な目的や場所、時間に対応していますが、実はそれ以外が本当に日本独特で、一時的にパーティーを行う場合などに、個人や企業に対して「一時的集団保育」を行っています。これを業界的には、イベント保育と呼んでいますが、このようなケースでの保育はたくさんあります。それ以外にも、託児所や、認可保育園にさえも派遣されています。そこでは延長保育スタッフとして、また、一時的に園児が増える時期の臨時保育スタッフとして活躍しているのです。

その他にも、たくさんの珍しいケースで活躍もしますので、つまりは、日本の保育需要の中で、中心部分を認可保育園が担い、その周りを認可外保育園が、更に、その周りの全ての領域でベビーシッターがカバーしているという訳です。

ただ、私たち民間の保育サービス業の意見としては、時間定型的で、年齢定型的な保育を認可保育園が行い、夜間や地方、又病時、新生児など、本当に子どもを預けるのに不便が生じるケースで福祉の保育が役に立たないという状況で、これを民間事業者がカバーしている現状には疑問を感じています。何故なら、朝から夕方までの平日のみの、又ゼロ歳児を含まない保育施設の運営ほど運営主としては費用もかからず、非常に楽な分野で、それ以外の分野の運営や管理が難しく、費用も多額に要するからです。

保育の官民利用者格差(行政のサービスを受ける事ができた利用者と民間サービスを受けざるを得ない利用者との格差)は、認可保育園の保育料を負担する際の収入格差とは必ずしも連動しておらず、この格差を正しい負担割合にするためには、保育費助成を施設に支給するのではなく、あくまでも個人に支給する制度に変えなければならないと思います。

日本の保育サービスの中で、民間やBSが担っている分野をご説明しましたが、BS事業や民間託児が、行政が行えない分野を多くの場面で担っていることを知っていただければ幸いです。

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