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3つのキャンプを終えて

2010.10.09

関西圏、関東圏でのキャンプをそれぞれ子ども140人、沖縄でのキャンプを18人で行いました。たくさんの子ども達に自然の中で良い経験をしてもらえたのではないかと思います。また、当社のキャンプは、普通の幼稚園等のキャンプとは異なり、日頃顔を合わせている友だちとは違う「知らない友だち」と一緒に過ごします。そのような普通ではあまり経験できない環境に置かれることも大きな経験となっていると思います。
 
当社では、関西と関東の1泊2日キャンプを『チャレンジキャンプ』と位置づけ、沖縄のキャンプは『キャンプアドベンチャー』と銘うって開催しています。

『チャレンジキャンプ』は、たくさんの知らない友だちと一緒に「1泊」だけ親の元を離れ、自立に向け一歩進むチャレンジです。子ども達は日頃できないことを、日常とは異なる環境で、自然の中での遊びを通し、発見し、発想し、学んでいきます。また、友だちと関わる能力も身に付けます。よく保護者の方から「お友達と一緒のグループにしてください」という要望がありますが、当日のグループ分けは、全てではありませんが、あえて知らない子ども達で組み合わせるようにしています。保護者の方が心配されるほど、子ども達は消極的ではありません。何故なら、キャンプ場では全員が同じ環境であり、知らない者同士がすぐに仲良くなる事が当たり前なのですから。

保育、子育てとは、子どもが将来大人になるための訓練をさせることです。ですから、「今までと同じ」「いつもと同じ」では、大人になるための訓練にはなりません。勿論、中には最初はメソメソして一人でいじけている子もいます。しかし、それを励まし、且つ突き離しながら自立させていく事が私たち大人の役割だと思います。最近の子育て観は、子どもと関わる事、褒める事が重要と言われすぎているように感じます。ですから、最近の子ども達は突き放される事や叱られる事に慣れていません。困っても誰かが助けてくれると、本能的に安心してしまっています。しかし、誰も助けてくれないからこそ自立し、自分で何でもできる大人になっていくのだと思います。自分の子どもを突き放すという事は、特に初めての子育ての場合には、親もなかなか勇気がいるものです。ですから、このようなキャンプで、親という庇護者の元を離れ、自分で進んで発言し、友だちを作り、行動しなければならないという環境を経験させる事は非常に大事な事だと思います。

沖縄での『キャンプアドベンチャー』は、子ども達にとって、まさに勇気の必要なチャレンジです。1週間も親元を離れ、それも沖縄のジャングルの中で、知らない友だちと知らないスタッフと共に生活するのです。

しかし、2日も経てばみんな完全に仲良しです。解散する時には、「みんなと別れたくない」と泣いている子どももいました。いつものお友だちじゃないからこそ、新しい友だちができるのです。

ジャングルでの食事作りは、まず現地で栽培されている新鮮な野菜を木々の茂みにわけ入って取りに行き、自分達で作ります。うみたての卵をひろい、稲刈りもします。木を拾い、草を取ってきて紐を張り、自分達で発想して森の中に秘密基地を作ります。沢を上って滝に行き、滝つぼにも飛び込みます(これはかなりすごいです。見ている大人がヒヤヒヤします!)。無人のビーチでのビーチキャンプもあり、海で泳ぐのはもちろん、その浜辺では流木を集めてキャンプファイヤー。スイカ割りあり、焚き木での焼き芋あり。まだまだその他にも、7日間最後の日のスペシャルメニュー、8時間かけて焼く「豚の丸焼き」もあります。よく、「食育」といって野菜の栽培などをすることはありますが、今朝まで生きていたまるまる1頭の豚を、食べるために目の前で焼く所を見ることこそ、「命をいただく」ということを学ぶ瞬間であり、この経験こそが真の「食育」だと思います。

ジャングルキャンプでは、水洗トイレなどもありません。まさに昭和初期、それ以前の生活を経験できるのです。おもちゃなどもありません。私はおもちゃが子どもの感受性を育む、おもちゃがたくさん必要だと言う考え方には疑問を持っています。子ども達はおもちゃなど何一つない環境でも、自分たちで遊びを創り、おもちゃさえも自分たちで作っていきます。コンピューターでストーリー立てされたゲームで遊ぶより絶対に想像力や発想力、協調性さえも身についていきます。

しかし、今子ども達にこのような経験をさせる機会が少なくなっています。公園や、キャンプ場でさえも整備され過ぎて、安全に作られ過ぎて、子ども達にとって、大人になるために絶対に必要な大事な経験の場をなくしてしまっているのではないでしょうか。怪我をするから、事故になるから、訴訟になるから?・・そんな理由で大人達が子どもの経験の場を奪ってしまっています。保育者は安全に子どもを見ようとしすぎて、危ない事から子どもを遠ざけ、その結果、子ども達にとって大事なチャレンジをさせる機会も無くしてしまっています。

子ども達が、人と関わる能力を身につけ、人の気持ちが分る人間になるために、知らない友だちとたくさん関わり、何もない自然の環境で五感を磨き、発想し、想像し、たくさんの事を感じ取る、そんな環境や機会をもっと作って行きたいと思っています。皆様にも、その趣旨をご理解いただき、是非、今後も引き続き、子ども達をたくさんの経験の場へ参加させていただきたいと願っております。そして、私達大人もチャレンジする勇気をもってこそ子ども達のチャレンジの機会を与える事ができるのだと思います。当社としても、このようなイベントをたくさん行う事や、小さな子ども達を大人数連れてのキャンプイベントは、経営的にも非常にリスクが高いのですが、私たちが勇気を持って取り組むことが大事だと決意していますし、当社としての“チャレンジ”だと考えています。

今後とも、子育てのみならず、「人作り」に関わる当社の理念を是非ともご理解頂きたく、皆様のご協力とご支援をお願い申し上げます。最後になりましたが、今回のキャンプにご参加頂きました皆様にお礼を申し上げますと共に、今後のイベントへのご参加もお待ち申し上げております。

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