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更新日:2017年05月20日
- 大人塾8限目:「嘘も方便」の正しい解釈
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今回は、当社の代表が語る 『 「嘘も方便」の正しい解釈 』 についてのお話です。一般的に「嘘も方便」とは、嘘も場合によっては言ってもいい、と解釈されているのではないでしょうか。やむを得ず嘘をつくときもあるし、仕方ない場合もある、と。私は、経営者として部下を指導する場合や、自らが考えた戦略を成功させなければならない場合など、難しい場面をたくさん経験してきました。(もちろん、私より先輩の経営者の方々は、もっと多くの経験で、そのような場面を経験しています。)そんな時を振り返って、いつも私は自分を分析して思う事・・・それは、常に嘘をついていると言うことです。私は嘘は悪いことではないと思っています。且つ、真実を常に晒す事がいい事だとも全く思いません。全ての私の考えに共通する理念のようなもの、それは、「結果や現象には意味はなく、原因と目的の関係、ベクトルがどこを向いているのか、何を目的にしているのか、何を考えているのか、どういう思いなのか」と言う事にしか意味はない、と言う事です。単に現象としての「嘘」は、嘘をついたのだから駄目なことだと思われがちです。しかし、それが人のためになること、相手の事を思い量っての「嘘」であれば、それは決して悪いことではなく、逆にいいことである場合もたくさん存在するのです。真実だからと言って、相手を傷つける結果になったり、みんなが困ることになるのに、その真実を主張することに意味はありません。もっと正しく言えば、自分の主張を通したいためだったり、相手の事を思い量っていない行動や自分の利益のための発言であるかどうか、が重要だと思います。その結果が「真実の主張」であっても「嘘」であっても、どちらでも「悪」だと考えます。あなたの思いが、自分のためではなく、相手のため、社会のため、人のためならば、結果として出てきた言葉が「嘘」であっても「真実」であってもそれは「正義」となる場合が多く存在するのです。もちろん、全ての場面で許されるものではないでしょうが、ここで言いいたいことは、「結果」「現象」としての嘘も、真実も、「思い」の前には、その正否を論じる価値はないと言う事です。先に述べた、仕事の場面で、部下を指導する場合、経営戦略を成功させる場面で、私は多くの嘘をつきます。その目的は、部下の成長への期待であったり、部下やチームの成功のため。「君の事業所を閉鎖する!」「君にはもう期待していない!」などの叱責にも似た指導。「君ならできるはずだ」「こんなプロジェクト簡単だよ?」と言った励ましも、嘘の発言の場面はたくさんあります。部下に奮起させるため。逆に、出来ないとわかっていても、失敗を覚悟で部下にやらせてみる、などが典型的な「嘘」のマネジメントです。そういう場面の私や、上司に必要なこと、それは、失敗を陰でフォローする覚悟や秘密のアイデア、第三者に指示してやる気やアイデアを与えることなどです。そういった事をきちんとする前提で、「部下を先ず騙す」のです。本人にしてみれば、私に罵倒されて「なにくそ!」と思ってやってみて、出来た場合には、もしかしたら私への恨みが残るかもしれません。第三者への感謝はしても、私には感謝してくれないかもしれません。でも、経営者は、その結果そのプロジェクトが成功すること、それが目的であり、その部下が成長する事が目的なのですから、それはそれで成功です。ただし、私への拒否感が残ったままではその後の仕事も部下にとってもよろしくありませんので、その後のマネジメントやり直し策が必要になってはきますが・・・。改めてここで私が言いたいことは、「嘘はついてもいい」と言う事ではありません。正しく理解をしていただきたいのは、これは、目的を達成するための人に対する指導の「ツール」「手段」だと言う事なのです。「嘘も方便」の「方便」とは、「手段」であり「武器」なのだと。且つ、そこで重要なことは、その目的が「正義」であるかどうか。嘘をついても相手を導く場合に、それが、正義のため、相手のため、人のためと言った正しい目的であるかどうかが重要です。あなたが正しい目的をもって相手に対峙するときに、相手に嘘をついても導くのは、嘘さえも手段として利用しているのだと。いえ、手段として敢えて活用すべき時があるのだと言いたいのです。「唯一の真実」は「あなたの気持ち」であればいいのです。あなたの相手への思いやりこそが言葉の真実より重要であり、嘘と言う武器を使って、相手を幸せに導くことに価値があるのだと。但し、最後に敢えて言っておきます。あなたが嘘をつくとき。それは、あなたの利益のため、あなたの保身ではないですか?嘘のつき方で、あなたの人格が明らかになります。