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認可外保育所が悲鳴を上げています

2010.02.18

まず、認可外保育所が、何故いつも認可園より品質が劣ると言う偏見で見られるのでしょうか?昨今のニュースにもあるように、認可園で幼児のポルノ撮影をしていたなど、品質の管理自体は、認可、認可外の違いによるものではなく、その園の責任者の全ての管理品質にあるはずです。認可外で様々な悪いニュースが報道され、認可園は単純に報道されにくいだけという側面があります。

元々、認可外の経営者は、儲け主義で経営が出来るものではないのです。元来、保育所の運営には多額の経費が掛かるために莫大な税金が児童福祉の名目で補助金となって費やされています。その経費効果の仕組みの上で認可園の運営が行われ、基準が出来上がっています。認可外についてもほぼ同等の運営基準がありますので、補助金のない純粋な認可外園は利益を出すのは至難の業なのです。このような環境で、一旦開設した認可外の園を、そこに通う子供たちへの愛情と責任感だけで経営を継続している経営者とスタッフが全国にはとてもたくさん存在します。認可外の善良なる経営者は、認可園では行っていないきめ細かいサービスや、認可園では預かってくれない子供たち、そして、時間的な問題にしても、必死の努力で利用者のニーズに応えようと日々頑張っています。

現代の働くお母様、あるいは、増えてきた母子家庭、父子家庭では、もともと定型的且つ、運営時間の短い認可保育園では仕事に支障があり、必要な保育ニーズに応えていない問題があります。ほとんどの家庭に対しては、夕方までの保育や、6ヶ月、1年以上の保育でまかなえるのでしょうが、実は本当に困っている上記の家庭に対しては、24時間保育であったり、新生児保育であったりと、フレックスな就労形態に対応できる保育施設が必要であり、それらのニーズに何とか応えようと認可外保育所が存在しているのです。

しかし、最近の保育政策は、あくまで受け入れ定員枠を拡大する事、人数的目標に終始しています。この結果、実は、今、認可外保育所が悲鳴を上げているのです。認可保育所の定員を拡大する事は、なんとなく良い事の様に受け入れられていますが、現実は、少しだけ働く人、全く働かない人までも入所できるようになっている事、保育の必要のない人まで預けるようになっている事、その結果、本当に保育が必要な人が結局預けられなくなっているという歪んだ現象も生じさせています。又、認可外から言えば、どうしても保育料の安い認可園に転園するケースが増えてきています。認可外の経営はタダでさえ厳しい上に、園児の減少となり、閉鎖する園が続出してきています。

誤解のないように申し上げると、上記に書いた少しだけ働く人も預けることが悪いと言うのではなく、あくまで福祉的思想としては、所得の高い人は所得の低い人に、限られた福祉予算の中での恩恵を、そういった人に優先させるべきであり、又、夜遅くまで仕事しているお母様にとっては、もともと認可園に預けては仕事が出来ないことから、こういった人が認可園に預けられないこと自体が、同じ税金を負担しているのに、全くその恩恵を受けていないと言う事です。実は最も補助金の恩恵を受けているのは、子供でもなく、親でもなく、「施設、保育者」であると言う事ができます。

働く人に全員同じ福祉レベルで認可園に預ける権利があるとは思えません。あくまで福祉は福祉の観点で考え、子育て世代全体に対しては、福祉とは別に、「少子化対策、子育て支援」という思想で補助政策を具現化しなければならないのではないかと考えるのです。その双方を混同し、福祉と言う名の元に莫大な予算が使われ、認可園に企業が参入し、企業が補助金と言う税金によって利益を得るのは正しい姿ではないと考えます。当社は、あるべき企業の努力と工夫により、勿論正しい倫理観を持って、保育をサービス業として確立し、併せて福祉的役割も担っていく事を目標としています。認可園が、本来的福祉の役割として存続し、福祉以外の子育て世代に対して幅広いサービスを提供することが望ましく、その住み分けされた「福祉」と「サービス」の「明確な環境分離」が重要なのではないでしょうか。

少なくともこのままの認可主義、数的拡大政策では、必ず現在存立する認可外保育所の中で、企業内託児所と院内保育所以外の全ての認可外が閉鎖に追い込まれる可能性があります。もし、認可外保育所が激減すれば、認可外でしかニーズを満たせず、もともと認可保育所では対応できない子供たちが「本当の待機児童」となって世に溢れてくることは確実です。その数は、何万人、いや、十数万人になるかもしれません。

政策提起は得意分野ではありませんが、政策発表やマスコミ、新聞での保育政策論議以外に、地道に倫理観を持って地道に子供たちのために保育を行っている認可外の経営者やスタッフがいると言う事も是非ご承知いただきたいと願っています。併せて、認可外、それも補助金を受けずに運営している認可外のスタッフたちは、早朝、夜間、深夜まで、又、難しい新生児の保育、病後時保育など、認可園以上に厳しい仕事をしているのだと言う事も知って頂きたいと願っております。

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